会社のデータを守るために、まず「何を守るべきか」を知ろう
前回は、DX以前にデータをしっかりと守って活用しましょうね!というお話でした。
今回は「守る」ことについて深掘りしてみますのでお付き合いください!
まず「何を守るべきか」を知ることからスタート
仕事をしているうえで、日々さまざまなデータが生まれています。
しかし、「どんなデータがどこにあるのか」「それがどれほど重要なのか」を正しく把握している会社は意外と少ないのではないでしょうか?
情報の管理が曖昧なままでは、データ紛失・情報漏洩・業務停止などのリスクが高まります。
もしかしたら、もう気づいていないうちに情報漏洩していたりして…
まず会社に存在するデータの種類を整理し、それぞれのリスクと守る方法についてみていきましょう!
1. 会社にあるデータの種類と保存場所を整理する
まずは、会社にあるデータにどんなものがあるのか、どこに保存されているのかを明確するところから始めます。
(1)データの種類
まずは「データの種類」です。
本業で使用するデータの他に、経営層しか知りえない情報に、コミュニケーションに関するものなどありますよね。
下記は一例ですが、「顧客から預かっている情報」などは、業務データであり機密情報であるため、別にしてもよいかもしれません。
なんにせよ、これらのデータでどんなものがあるのかを洗い出していきます。
- 業務データ(契約書、顧客情報、会計・人事データ、商品データ など)
- 社内コミュニケーションデータ(メール、チャット履歴、会議資料 など)
- 機密情報(経営戦略、取引先情報、個人情報、給与データ など)
(2)保存場所の分類
次は「保存場所」、つまり「どこにあるのか」です。
昨今はスマホやタブレットの利活用も増えているので、もしかしたら従業員が個人の端末を使っているかもしれませんね。
そこには大きな危険が潜んでいるかもしれません…
そういった点も含めて洗い出します。
例を示します。
① 社員個人の端末
- 社用PC・スマホ・タブレット(会社が貸与したもの)
- 私用PC・スマホ・タブレット(BYOD、いわゆる個人の端末を業務で使うこと)
- USBメモリ・外付けHDD
② 社内ネットワーク
- 共有フォルダ(ファイルサーバー、NAS)
- 業務用アプリケーションサーバー(社内にある業務システム)
③ クラウド・外部サービス
- SaaS(業務システム、会計・人事システム、CRM など)
- メール(Gmail, Outlook, 独自ドメインのメールサーバー)
- グループウェア・チャット(Slack, Teams, LINE, Chatwork など)
④ 物理的なメディア・書類
- CD/DVD・Blu-ray・テープメディア
- 紙の資料・契約書・顧客情報のファイル
2. どのデータが重要で、どんなリスクがあるのか?
「データの種類」と「どこにあるか」が明確になりましたね!
次は、それらがどれくらい重要なのか、どんなリスクがあるのかを知ることです。
すべてのデータが同じ重要度ではありませんよね。
特に注意が必要なリスクを例に挙げます。
(1)機密情報の漏洩リスク
→ 顧客情報や取引先データが流出すると、信用失墜につながる
(2)業務データの紛失リスク
→ 契約書や会計データが消えると、取引や経理処理に支障が出る
(3)個人端末の管理不足による情報流出
→ 紛失・盗難によるデータ漏洩が発生しやすい
(4)クラウドサービスの管理不備
→ 誤った設定で外部からデータにアクセスされる可能性がある
これらの事象が発生した場合、間違いなく業務は止まりますよね。
さらには、顧客や取引先から損害賠償を請求されることも十分あり得ます。
しっかり守らなければですね…!
3. どうやってデータを守るか?
守るものを知り、リスクも見えてきました。
次は、データを守るために、保存場所ごとに適切な対策を講じる段階です!
場所ごとに考えられる対策を挙げてみます。
これもあくまで一例ですので、実際にはしっかりと検討する必要があります。
(1)社員個人の端末の対策
- クラウドバックアップの利用(OneDriveなどPC上のデータを自動バックアップ)
- データの暗号化(万が一の紛失時にも情報が守られる)
- リモートワイプ機能の活用(スマホやPCを紛失した際に遠隔でデータを削除)
- USBメモリの使用制限(外部デバイスへのコピーを管理)
このほかにも、「個人端末を使わせるor使わせない」「社外にPCを持ち出す際のルール」など運用する仕組みの検討も必要ですよ!
(2)社内ネットワークの対策
- アクセス制御を厳格化(必要な人だけがデータを扱えるようにする)
- 定期的なバックアップ(データ消失に備える)
社内にあるデータは、特に対外的に秘匿性の高いものが多くあるはずです。
"従業員には見えていない"と思っていても、意外と丸見えになっている会社もありますので、アクセス制御は念入りに確認しましょう。
またバックアップについては、「ベンダーが設定してくれているから大丈夫」とよく聞きますが、本当に大丈夫ですか?
有事の際にバックアップからデータを復旧できなかったり、復旧までに何日も掛かるなんてたまに聞きます。
その点を確認するだけでも安心感が違いますよ!
(3)クラウド・外部サービスの対策
- MFA(多要素認証)の設定(不正ログイン防止)
- アクセスログの確認(異常なアクセスがないか定期的にチェック)
クラウドサービスで怖いのが、ID/パスワード漏洩によるなりすましログインです。
なりすましでログインされると、システムからは「正しいアクセス」と判断されるので、情報を抜き放題になってしまいます。
MFA(多要素認証)はID/パスワード以外に、スマホなど別の端末を使って認証を使う仕組みで、なりすまりに対して非常に有効です。
無料で使えますので、ぜひ活用しましょう。
(4)物理的なメディア・書類の対策
- ペーパーレス化の推進(不要な紙資料を削減)
- 鍵付き保管庫の利用(重要書類の紛失や盗難を防ぐ)
最後は物理的なものですね。
ペーパーレスも必要ですが、私がリスクを感じるものは、「紙媒体でしかないもの」がなくなった場合です。
ちゃんと保管していても、雨漏りで読めなくなったり、湿気で貼りついてしまっていたり、意外と「大事に保管」しているものがダメになるケースはあります。
紙媒体としてしか効力がないものでも、スキャンしてPDFなどデータ化しておくと安心ですし、すぐに確認できますし便利です。
まとめ:まずは自社のデータを整理し、適切な対策を!
今回の内容は本当にさわりの部分だけとなりますが、実際に整理すると結構な労力がかかりますが、知ることが第一歩です。
知らないと、知らないうちに情報漏洩しているかもしれませんし、データの管理が適当になっていると、思わぬリスクに巻き込まれる可能性があります。
だから、まずは「自社にどんなデータがあり、どこに保存されているのか」 を整理することが重要です。
そして、重要なデータを守るために適切な対策を実施することで、情報漏洩や業務停止のリスクを最小限に抑えることができます。
今すぐ、社内のデータ管理を見直してみましょう!
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