中小企業こそDXが必要な理由

前回は「結局、『DX』って何?」をテーマに上げました。
今回のテーマに繋がっていますので、よろしければご覧ください。
中小企業こそDXに全力で取り組まなければならない理由

【出典】日本を支える中小企業:中小機構
今も昔も、日本の経済は中小企業が支えているといっても過言ではありません。
中小機構によると、全国の企業のおよそ99.7%、336万社以上の中小企業があり、3,300万人以上の従業員が働いています。
しかしながら、日本の経済を支えている中小企業のほとんどでDXが進んでいない状況にあります。
それはなぜでしょうか?
後回しになりがちなDX の重要性を改めて考えてみます。
少子高齢化で採用は高難度=労働力不足に

日本は間違いなく、この先も人口が減り続け、働き手も減り続けるはずです。
内閣府によると、2030年には生産年齢人口(15歳~64歳)が300万人以上減ると予測されています。
新潟県の人口は212.6万人(2023年10月時点)ですので、新潟県から人が全員いなくなっても足りない数字です。
そもそも、地方から若者は流出しているので、今まで以上に採用は難しくなってきます。
採用難は大企業も同じで、「○%賃上げ」「初任給40万円」などニュースで目にした方もいらっしゃると思いますが、大企業は資本力で人材確保に奔走しています。
ですが、中小企業はそんな巨人と張り合うような施策を打つことは難しいのが現状ではないでしょうか。
つまり、採用を頑張っても成果は出にくい状況が進み、労働力不足がより一層深刻になることが予測されます。
労働力不足にはどんな対策がある?
労働力不足を解消するためには、やはり「増やす」ですよね。
考えられる策は次の通り。
- 新規採用する(上記の通り難易度高い)
- 働く女性を増やす(103万円の壁あり)
- シニア活用
- スポットワーク活用
- 外国人を採用する
など、結局は「雇用する」ことが軸となるものです。
そもそも労働人口が減ってきていますし、相手のあることですので難しいですよね。
つまり、主体的に動いても確実な成果につながらない、ということですね。
人手を増やさず成果を出すのが『DX』
上記をみても、人手に依存している業務のままでは、これからの労働力不足に耐えることは困難です。
企業を成長させるためには、人手を増やさずに効率を上げるしかありません。
「人手を増やさずに効率を上げる」、つまりは生産性を上げるということです。
人手を増やすこととは異なり、
生産性を上げることは、主体的に動けば確実に成果に繋げられるという大きな利点があります。
前回記事にも記載しましたが、「デジタルガバナンス・コード」によると『DX』の定義は次の通りです。
- デジタル技術やツールを導入すること自体ではなく、データやデジタル技術を使って、顧客目線で新たな価値を創出していくこと。
- また、そのためにビジネスモデルや企業文化等の変革に取り組むことが重要となる。
こうやって見てみると、DXで何をしたらよいか少し見えてきませんか?
私たちの喫緊の課題は「人手不足の解消」ではなく「労働力不足の解消」です。
つまり、「今より短い時間で同じ成果を出す」ことに注力することが『DX』なのです。
言い方を変えると今を見直して、「あり方を変える」ことが『DX』なのです。
『DX』につながる「デジタルな視点」
「今より短い時間で同じ成果を出す」ことは、今までも取り組まれていることですし、私も総務やIT部門のマネジメントをしていたことがあるので、それが容易ではないことも理解しているつもりです。
業務の手順を見直して改善を積み重ねることも大切ですが、「少し違う視点」から見てみると、別の方法があるかもしれません。
その「少し違う視点」がデジタルだと考えています。
今はデジタル前提の時代となり、AIを含めて活用できるモノ・コトがたくさん出てきています。
「この業務をデジタルで再構築するなら、どうする?」
「このタスクが自動化出来たら、どうなる?」
「この仕事、本当に人間がやる必要がある?」
意外と、前提なしに考えるとデジタルを活用すれば新しい視点が得られることも多々あります。
ただデジタル化することが目的ではないので注意は必要ですが、「デジタルな視点」はとても有効です。
長いことITに携わる仕事をしているなかで、デジタルは「意外と手間が掛かる」と思っていましたが、昨今のテクノロジーの進歩は著しく、少し前の知識が通用しない事も良くあり、私も驚かされることばかりです。
新しいテクノロジーのニュースやITベンダーから何か提案があった際は、「自社でどう活用できるかな?」と楽しみながら見てみることから始めましょう!
『よし、DXをはじめよう!』と決意する
「あり方を変える」ことが『DX』でしたね。
これは単に新しいデジタル技術を導入だけではありません。
あり方を変えるには、
- 現状の仕事を整理して可視化する
- 問題点を洗い出す
- 問題を解決できる「あり方」を探る
- 実際に試す
- 試行錯誤して定着させる
といった流れになります。
つまり、「あり方を変える」ことは、そもそもの「仕事の進め方をゼロから見直す」ことです。
「仕事の進め方をゼロから見直す」と決意し、DXを推進できる人は経営者のみです。
従業員に「DXを進めろ」と指示しても進まない理由はここにあります。
ゆえに、『DX』は経営者の強い決意が必要なのです。
逆に、決意さえあればDXは進められるのです。
前回記事に書きましたが、地域にはDXを支援してくれる機関がいくつもありますし、私のようなDXを支援するような方に相談するのでも構いません。
そういった方を活用すれば、デジタルに対する知識が少なくても、一緒に課題の整理から始めて、打ち手を見出すことで、DXのはじめの一歩を踏み出すことができます。
『DX』を通じて、人手に依存した経営から脱却し、従業員と一緒に明るいミライを目指しましょう!
ミライドットでは取り上げてほしいテーマのリクエストを受け付けています。
お名前等の記入は不要ですのでお気軽にリクエストください!