DX(デジタルトランスフォーメーション)って、なに?

『DX』という言葉が使われるようになったきっかけ

誰もがきいたことのある『DX』、言葉自体は2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱されたとのこと。

その後、経済産業省が2018年に発表した「DX推進ガイドライン」をきっかけに、DXの在り方が示されて、使われ始めました。
「DX推進ガイドライン」は「デジタルガバナンス・コード」に名を改め、次のような内容を実現するための手引きとしてまとめられています。

【出典】デジタルガバナンス・コード (METI/経済産業省)

で、『DX』って何?

「デジタルガバナンス・コード」によると『DX』の定義は次の通り。

  • デジタル技術やツールを導入すること自体ではなく、データやデジタル技術を使って、顧客目線で新たな価値を創出していくこと。
  • また、そのためにビジネスモデルや企業文化等の変革に取り組むことが重要となる。

なんだかわかりづらいですが、言いたいことは、

既存の業務に対して、機械化やデジタル化の利点を最大化し、会社のビジネスをよくしていこう!

ということだと、私は理解しています。

  • FAXの印刷をやめて、共有フォルダに保存した
  • オンライン会議(zoomやTeams)を導入した
  • テレワークを導入した

上記のようなことは「ただのデジタル化で、DXじゃない!」と言われることもありますが、それは言葉の定義だけの問題であって、会社の仕組みが改善されるなら、それはもうDXの一歩目として十分だと思っています。

そもそも、「DX」は「Digital(デジタル)」と「Trans(X)formation(変化/変質)」から成り立っており、デジタルな手段を用いて会社を良くしようとアクションを起こしているのであれば、それは立派なDXなのです。

なので、『DX』という言葉に惑わされるくらいなら、『世の中には便利なデジタルツールや仕組みがあるから、使ってみよう!』程度の軽い気持ちからスタートすれば十分です。
その経験から小さな成功を積み重ねて、やがて大きな変革=『DX』に繋がっていくのです。

つまり、デジタル化に着手した上で、その先の『DX』を進めていくことが必要不可欠、ということですね。

結局、何から始めればいい?

まず、巷のニュースで見るような『DX成功事例』は忘れましょう。
企業規模により事業施策が異なるように、DXにおいても要件は大企業とはことなりますし、企業によって課題が様々だからです。
他社事例を真似てITツールを導入してみてもうまくいかない…それはよく聞く話です。

ということは、DXの元ネタは『課題』ありき、ということです。
自社の課題を正確にとらえていないから、他社を真似ても失敗するのです。

では、その『課題』は明確になっていますか?そこが問題なのです。

例えばですが、よくある課題に「業務を効率化したい」があげられますが、社内の業務は誰がどんなことをしているか明確になっていますか?どこかボトルネックになっているか理解できていますか?など、深堀していくと、答えに詰まってしまうことがほとんどです。

ですので、まずは「DXしなければ…」という漠然とした不安を払しょくするために課題を明確にする。

そして、『明確な危機感』として認識し、変革することを決意することが第一歩です。

IT担当者が不在でも始められる?

ITに詳しい方が不在でもDXは始められます。
重要なのは課題を明確にして、『何のために変革したいのか』を明確にすることです。
課題が明確になれば、おのずと打ち手も見えてくるはずです。

ですが、日常業務があるなかで新しいことへ取り組むのは容易ではないですよね。
そのような場合は、外部の支援を有効活用しましょう。

幸い、各地域には支援機関がいくつもありますので、気になる方は調べてみてください。
新潟では次のような機関があります。

こういった機関を活用し、DXの全体像を少しずつ明確にしていくのがおすすめです。

気を付けること

そして、大切なこととして、『ITベンダーの言うことを鵜吞みにしない』です。

先に触れましたが、会社で課題は様々です。他社の成功事例がそのまま当てはまるとは限りません。
ベンダーはあくまで「サービスを売る」ことが仕事で目的ですので、自社の課題や業務を理解したうえで売り込んでくるわけではないからです。

もちろん、ITベンダーが「悪」なわけではないのですが、自社の現状を客観的に見て、そのサービスが本当に適切かを見極めてからでの導入でも遅くないので、「今ならお安くできます!」「これを導入しないと他社に後れを取ります」といった営業トークに踊らされないようにしましょう。
一度導入したサービスをやめることも、大変な労力が必要です。

DXも結局は少しずつの積み重ねです。小さなことからコツコツと変化を始めていきましょう!